コラムの第一回ということで、まずは自己紹介から。
「私は、萩原正人と申すものです」
と、まずは氏名を名乗ってみたわけだが…。
さて、ここで質問。
Q あなたは、この名前をなんと読みしましたか?
(1) はぎわら まさひと
(2) はぎわら まさと
(3) おぎわら まさひと
(4) おぎわら まさと
解答は「はぎわら まさひと」が正解である。
まあ、多くの人は「はぎわら まさと」と読んでるんじゃないかと思う。
まあ、それなら初歩的な間違いで、さほど気にもならない。
今だから言える話しを一つ。
俳優「萩原聖人」の出現は、オレにとって迷惑この上ないものだった。
ただでさえ「まさと」読みされていた上に、彼が売れてからは、誰もが確信的に「はぎわら まさと」で正しいはずと読み間違えてくれるからだ。
こんなことがあった。
漫画家、おおひなたごうに誘われて「モノポリー大会」に参加したことがある。
一時期、糸井重里がモノポリーにはまって、なんやかんやと肩入れしていたことがあったが、この大会にも糸井氏は参加していた。
その表賞式でのことである。
ゲームの結果は惨澹たるものであったから、まあ表賞式なんて関係ないやと会場の片隅で小さくなっていた。
ところが切り番賞なるものがあり、その150番ピタリ賞を受賞してしまったのだ。
「150番ピタリ賞 はぎわら まさと」
その司会者が、また、よせばいいのに、なんだか曰くあり気な口調で読み上げるのだ。
会場が、一瞬どよめいた。
「えっ、萩原聖人が来てたのか?」ってな空気である。
会場の雰囲気としては、糸井氏がらみで芸能人が参加していてもおかしくはない。
オレは、会場に漂う「はぎわら まさと」の登場を待ち受ける緊張感を肌で感じた。
オレは、頭をかきながら、うつむき加減で壇上にあがったことを覚えてる。
かくして、オレは会場の人込みをかき分けて壇上に上がったのだが、ウソや冗談ではなく、オレの登場によって会場が爆笑に包まれたのだ。
この笑いは、まさにお笑いの基本である緊張と緩和だった。
「な〜んだ」って緩和と、それでいて「お前は誰だ」って笑い。
それでもらったピタリ賞が、季節はずれの花火セットだった。
「おぎわら」と読んだ人。オレは「萩原」を35年もやってるから言わせてもらうと。
ほんと萩原に関してはシロート以下である。
植物学から言わせてもらえば、「萩」はマメ科で、「荻」はイネ科だ。
まずもって、ぜんぜん違う。
ほんと恐ろしいのは、「萩と荻は同じ漢字だと思っていました」って奴。
実際に、そういう奴がいるから不思議だ。
じゃあ同じ漢字だとして、どうやって読み分けるんだろうか?その場の気分とか雰囲気なのか?
そんな漢字はないのである。
萩 荻 ※間違いを探して下さい。
明らかに歴然である。
萩原のシロートにとっては、どっちでもいいよと思うかも知れないが、萩原を35年やっている者としては許せない。
「おぎわら まさと」
こいつは、赤の他人だ。
不思議なのは「はぎわら」と「おぎわら」では、「おぎわら」のほうがマイノリティーなわけである。
Googleの検索結果
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「荻原」
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「萩原」
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267000件
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なんで、わざわざ「おぎわら」って間違えるのか。
細かいことを気にするなと言われれば、その通りで、まあ大目に見たいのであるが…。
肝臓を悪くして、肝臓を移植した。厳しい闘病生活を強いられたが、その中でいい思いも少なからずした。
連載していた雑誌、TVブロスの担当編集が、気をきかせて贈りものをしてくれた。
そこには、額縁に修まった一枚のサイン色紙があった。
宛名には、「忌野清志郎」とある。
そこには、10代の頃から大好きだった、キヨシローからの応援メッセージが記されてあった。
キヨシロー直筆で、しかも毛筆でしたためてあった力強いメッセージ。
「がんばれ荻原!」 荻原正人さんへ
こんな時には、ふと感じるんだよね。
いっそ、荻原になっちゃえば気分楽かなってね。
